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いぬの幼稚園バウバウ

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お知らせ

いぬの熱中症はなぜ起こるのか?~原因と対策~

こんにちは!
動物看護師の窪田です。
いよいよ暑さも本格的になりましたね☀️
この季節はとにかく熱中症が怖いですよね…💦

ワンちゃんの場合は炎天下でのお散歩がリスクを高めると言われていますが、屋内で熱中症になるワンちゃんも少なくありませんので十分注意が必要となります。

人は汗をかくことで体温を下げるイメージがありますよね?
ところがワンちゃんが汗だくになっている所は見たことがありません🤔
一体どうやって暑さを凌いでいるのでしょうか❓
実は人もワンちゃんも身体の熱を逃すのに
4つの仕組を用いています。


1.伝導

体に接している物体に熱が移動していく現象です。
真夏にワンちゃんが冷たい床にねそべっているのは熱伝導により体温を下げようとしているからです。

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2.対流

体の表面より温度の低い気体や液体が流れることで熱を奪っていく現象です。
冷蔵庫を開けた時の涼しさがまさに熱対流です。

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3.放射 or 輻射(ふくしゃ)

物体を介さずに熱がエネルギー(電磁波)として放出される現象です。
例えば部屋の中に置いた熱湯は時間と共に冷めていって室温と同じになります。熱湯の熱が部屋の空間に放射したことで水温が下がったわけです。
2つの物体間で温度差があれば必ず温度の高い方から低い方へ熱が移動します。

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4.蒸散

夏になるとアスファルトに水を撒きますよね?


あれは単に涼しげなイメージを演出しているわけではなく、水が蒸発する時に気化熱としてアスファルトから熱を奪うことで地面の温度を下げているのです。
同じことが人や動物の体でも起こります。
人では汗をかいて体温を下げようとしますが、ワンちゃんは足裏と鼻でしか汗をかけません。

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「伝導」「対流」「放射」「蒸散」4つを総称して 熱放散 と呼びます。

通常は熱放散における「伝導」の割合は人もワンちゃんも全体の数%くらいです。
約60%〜70%を「対流」や「放射」約20〜30%を気道からの「蒸散」に頼っていると言われています。

そのため熱放散は気温が上がれば上がるほど効果が落ちていきます。
暑い日に運動をして体温が上がるとどうなるでしょうか?
熱放散が上手く働かないのに体温だけが上がり続けるので条件が揃えば30分程で熱中症になります。

外気温が体温を上回ると伝導、対流、放射は全く機能しなくなります。
ワンちゃんの体温は38.5度前後なのでそうそう気温が上回ることはありませんが、真夏の車内はエンジンを止めてから約30分で45℃まで到達するので熱中症になる恐れがあります!

例え冷房をガンガンにつけていても冷たい空気が循環していなかったり、直射日光がずっーと当たっている場合は熱中症になります。

また、太陽からの輻射で地面は40℃を超える高温になっている可能性もあります。
このような場合は特に小型犬や胴に対して足の短いダックスフンドなとが危険に晒されます。


前述の通りワンちゃんの通常体温は人よりも高いので、少しの体温上昇で危険域に達します。


暑い時にワンちゃんが舌を出してハァハァ呼吸してる所を見かけます。
これは熱を逃がす熱放散の1つ、「蒸散」で発汗の代わりとなります。
口の粘膜や舌の表面から水分を蒸発させて熱を逃します。
息を吐く時も熱を逃しますが、湿度が高いと蒸散もできなくなってしまいます…
痛みや緊張でハァハァすることもありますが、この時期に見られたら注意してください!

ワンちゃんの熱中症は体温41℃を超えて意識がなくなるなどの中枢神経症状を生じている場合を示すことが多いです。
体温が41℃を上回ると脳や内臓に大きなダメージを与えてしまいます。
これは人の熱中症分類における最重症のⅢ度と同等です。
つまりワンちゃんの熱中症は殆どが重症で呼吸不全や循環不全を合併しうる状態なのです。


ワンちゃんの体温が上がると熱放散が働きますが、実際私たちの目にどう映るでしょうか?


先ず、熱を逃がすために沢山息を吐かないといけません。
そのためハァハァ荒い呼吸が見られます。
続いて熱放散を行うために身体の中心部の熱を体表に移動させる必要があります。
全身の末梢血管を広げることで体表付近の血液が大幅に増量します。
わかりやすいのがお口の粘膜と舌です。
ここに暖かい血液を集めて熱放散を行うため血液の色で赤みがとても強くなります。
血液は体表付近に移動しているので腎臓や腸などの臓器への血流は低下します。
これが過剰になると心臓から送られる血液も低下して色んな臓器の致命的な血液不足に陥ってしまい、果てにはショックを招き命を落とします。


熱中症のリスクが上がるワンちゃん

 

  • 短頭種

フレンチブルドッグやボストンテリアなどの鼻ぺちゃな犬種の子は蒸散が苦手です。
元々気道が狭い子が多く、更にお口の面積が狭いので蒸散能力がとても低いです。
実際熱中症で来院される患者の半数近くを短頭種の子が占めます。

  • 肥満

肥満の子は体表からの放射や対流を脂肪が邪魔します。
更に気道付近にも脂肪が付着して蒸散を妨げるので熱中症のリスクが上がります。

  • 長毛犬種

これは想像できますよね。
シベリアンハスキーなど毛が長い子は毛が密なので寒さに強いですが暑さに弱いので注意です。

  • 小型犬や足の短い犬種

チワワやミニチュアダックス、コーギーなどは地面からの距離が近いので熱を受けやすくなります。

  • 若齢・高齢

若齢の子は活動性が高く体温調整が未熟です。
高齢の子は代謝が落ちていることが多く、呼吸もゆっくりしているのでどちらもリスクが上がります。


室内での熱中症の予防

●室温は22℃〜25℃くらい、湿度は50%〜60%でキープし直射日光に注意します。
特にケージに入ってる場合は日光から逃げることが出来ないので気をつけてください。
締め切ったお部屋でのお留守番も万が一空調機器が止まった場合にリスクが上がるので空気の循環は確保してあげて下さい。

●熱放散の一つ「対流」を確保するために風通しを良くします。

●飲み水は切らさないように注意します。
※人での熱中症は脱水を伴っていることが多いのでスポーツドリンクの摂取が予防に繋がります。
ワンちゃんも水分補給は必須ですが、人のように汗をかいて体温を下げるわけではないので、循環する血液量を保つことが主な目的です。


お外での熱中症の予防

●暑い日中にお散歩しない。
朝方か日が沈むころが良いです。
お散歩行く前に地面(特にアスファルト)に手を触れて熱くないか確認しましょう。

この時期は暑さで肉球が剥がれてしまう子も多く見かけます。

●長時間のお散歩は控えるようにする。

●車内でお留守番させない。

●ドッグランなどでの激しい運動は適度に休憩させる。


熱中症を疑う時の対処法

大前提として持続的に息が荒かったり身体がとても熱くなっている場合は動物病院の受診が必要です。
大丈夫だろうと様子見を行うことで手遅れになってしまうことが非常に多いです。
病院に向かうまでの間に応急処置を行います。


①先ずは日陰に移動させます。
可能なら水を飲ませますが、意識が落ちている場合は誤飲の可能性があるので無理に飲ませなくても良いです。

②その後身体を冷却します。

ここがとても重要になります。

スプレーを用いて常温の水を噴霧するか、常温の水を体表にかける、若しくは水で濡らしたタオルで全身を覆って扇風機で送風し、気化熱を利用して徐々に冷却します。
体表の水分は外の暑さも相まって時間と共に乾いてくるので適度に水の噴霧やタオルの交換を行います。

凍った保冷剤をタオルで包み、太い血管の走る首、鼠径部やワキの下に挟みます。
アルコールは水よりも揮発しやすいのですが、引火の可能性と吸引したときの気道への刺激などを考慮してあまり使用はしません。


やってはいけないこと

氷水に浸ける、キンキンに冷えた水をかけるのは止めて下さい。

これらの処置はせっかく開いた体表の末梢血管を縮めてしまい、温度の高い血液が身体の内部の臓器に循環してしまう為内部の体温が下がらず、各臓器へのダメージが進んでしまいます。

また保冷剤を直接身体に当てるのも低温やけどの可能性があるので禁忌となります。

ワンちゃんは人と違いお尻で体温を測ります。
たまにワキで測る方もいらっしゃいますがあてになりませんので発熱がないと勘違いしないようお気をつけ下さい。

熱中症の冷却処置は調整が難しく体温が下がり過ぎてしまうことがしばしばあります。
また、各臓器へのダメージを回復する必要もあるので熱中症を疑う場合は応急処置をしながら動物病院へ受診して下さい。
熱中症は思っているよりも重症化が早く、早急な治療が必要となります。


ワンちゃん達は暑さに弱いことをご理解下さい。
更に我慢強い子が多いのでわたし達が見抜いてあげる必要があります。
熱中症は予防がとても大切です!
最近は気温も上昇し暑い日が続きますが、安全対策をしっかり行なって夏を楽しく乗り切りましょう!

認定動物看護師 窪田

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