活動報告
2021.09.09
膿皮症の改善事例 ~シャンプーの見直しとお薬での改善~
※この記事は”いぬの病院バウバウ”開院前の2019年にいぬの幼稚園バウバウで取り組んだ時の記録に、加筆修正をくわえたものです。
ミルコくんの膿皮症
雨が降ってジメジメしてくると、皮膚トラブルが増えて大変!と思う飼い主様も多いのではないでしょうか?
今回は、梅雨から夏場にかけて再発して、なかなか治らなかった膿皮症が改善した事例を書かせていただきます。
ミルコくんは現在4歳の男の子。
ちょっぴり恐がりさんだけど、遊びたい気持ちは犬一倍の甘えん坊さんです。
■膿皮症の発見
ミルコくんを悩ませていた膿皮症の発見は、2018年8月11日。
いぬの幼稚園バウバウでお預かり中に、ミルコくんの左目頭に引っ掻き傷があるのを見つけ、他に傷はないかな〜と、よくよく見てみると内股、お腹、背中、脇、頭のてっぺんにポツポツとしたデキモノがあるのを見つけました。
お迎え時、飼い主様にお話を伺うと、実は2ヶ月前(6月頃)に膿皮症だと診断されており、病院で抗生剤と患部の消毒用シャンプーを処方されていることを知りました。
お薬を飲んで、シャンプーをするとすぐに症状は治まったそうですが、しばらくするとまた内股にデキモノが出来てしまい、完治に至らなかったそうです。
■獣医皮膚科学会認定医の診察
なぜ完治しないのか?と不思議に思い、当園から、皮膚の専門家である獣医皮膚科学会認定医の今本三香子先生への受診を提案しました。
今本三香子先生は、現在‘‘いぬの病院バウバウ‘‘の院長としてもバウバウ会員様の愛犬の診療を行っています。
受診代行の結果、ミルコくんの皮膚はデリケートなので、膿皮症になりやすいことがわかりました。
治療としては、膿皮症が落ち着くまで抗生剤の服用と頻回のシャンプーをすることになりました。
皮膚がデリケートということがわかったので、ご自宅で使っているシャンプー剤の見直しをしました。
■シャンプー剤の見直し
シャンプー剤によっては、弱っている皮膚や刺激に弱い皮膚(皮膚が薄い・アレルギー体質である・皮膚が荒れやすい)に悪さをするので、皮膚トラブルで悩まれている方は、シャンプー剤の見直しをするのも一つです。
↑ 元々使用されていたシャンプー剤の成分表です。
ミルコくんの皮膚は薄く、脂が出やすいため、当園のトリミングサロンで使用している “ピクニックシャンプー” に変更しました。
ピクニックシャンプーは、皮膚のバリア機能の回復と維持を目的とした、天然成分で作られている地肌に優しい弱酸性のシャンプー剤です。
このピクニックシャンプーを使って、2週間に1回のシャンプーを実施してもらいました。
↓ ピクニックシャンプー B(ノーマルスキン用) の成分
アロエ・海藻・ヨクイニン・シコン・オウパク・甘草・天然フローラルエキス等
6種類の天然生薬を使っており、低刺激だが充分な洗浄力があり、消炎作用も期待できます。
※ご自宅でシャンプーされる方はしっかりドライングをしてあげてください。湿ったまま放置していると、弱った皮膚から細菌などが入り、皮膚が荒れる原因になります。
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■膿皮症の改善、再発防止にはスキンケアが大切
そもそも膿皮症とは、ワンちゃんの皮膚にある常在菌が増えすぎてしまい、皮膚の感染症になってしまう病気です。
皮膚のバリア機能※ が正常に保たれていれば、そのようなことにはならないのですが、
小さな傷や間違ったスキンケアで皮膚が傷ついてしまい、バリア機能が低下して膿皮症になってしまうのです。
※皮膚のバリア機能についてはコチラの記事もご覧ください
それぞれのワンちゃんの皮膚に合わせたスキンケアが大切です。
スキンケアだけでも皮膚のトラブルはずいぶん改善されます。
今回のミルコくんは、抗生剤の服用、頻回のシャンプー、シャンプー剤の見直しで皮膚が綺麗になりました。
大きいワンちゃんなので、頻回のシャンプーは大変だったと思いますが、飼い主様のたっぷりの愛情を受けて幸せいっぱいのミルコくんでした。
↑ スタッフ犬のルーエくんと大の仲良し!